災害がれき推計手法見直しへ＝南海トラフ地震に活用も―環境省

　環境省は7日、東日本大震災で発生した災害がれきの発生量に関する推計手法を見直す方針を固めた。津波による影響を反映させ、南海トラフ巨大地震対策などにも役立てる考えだ。今月下旬に有識者会議を設置し、今年度内に新たな手法を決定、公表する。
　現在、災害がれきの発生量は、1995年の阪神大震災による被害を基に推計している。地震の揺れや液状化、津波によって全壊が予想される建物の数に建物1棟の平均重量を掛けて算出する手法で、内閣府の南海トラフ巨大地震や首都直下地震の被害想定にも用いている。
　しかし、東日本大震災では発生したがれきの一部が津波で海に流出したため、実際に処分が必要ながれきは、現在の手法で算出した量よりも少なかった。一方、津波によってがれきが広い海域に拡散したほか、被災地以外の自治体にがれきを運んで焼却する広域処理を行ったため、処分費用は当初の想定より多くかかった。