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「薬論文でデータ操作の可能性」京都府立医科大
2013 / 07 / 11 ( Thu )

「薬論文でデータ操作の可能性」京都府立医科大

読売新聞 7月11日(木)21時3分配信

 製薬会社ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」の効果に関する臨床研究で、京都府立医大は11日、同大学の松原弘明・元教授(56)らによる論文6本について、「何らかのデータ操作が行われていた可能性が示唆される」などとする調査結果を公表した。

 同社の社員(当時)が患者のデータ解析を担当し、脳卒中や狭心症のリスクを減らす効果があったように見せかけていた可能性があるとした。

 論文は、高血圧患者約3000人を2グループに分け、一方にディオバン、他方に別の降圧剤を投与する2003~07年の臨床試験の結果を分析したもの。「ディオバンは、血圧を下げる効果は他の薬と大差なかったが、脳卒中や狭心症のリスクが大幅に減った」などと結論づけていた。

 調査結果によると、論文にデータが使われた患者のうち、カルテが確認できた223人のデータを調べたところ、論文に用いた解析データとカルテの記載事項が異なる例が34件あった。

 脳卒中などを発症したとカルテに記載されているのに、論文のデータ解析では「発症していない」とされた例がディオバン投与グループで9件、他の薬の投与グループで1件あったほか、脳卒中などを発症していないのに、データ解析では「発症した」とされた例がディオバンで4件、他の薬で20件だった。

 全体として、解析データはカルテの記載と比べて、ディオバンの効果が上がるようになっていた。この223人について、カルテの記載通りに解析すると、ディオバンには、脳卒中や狭心症のリスクを減らす効果は特に認められなかった。



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