＜酒気帯び運転＞愛知県大治町長、辞職へ　検挙で引責

　愛知県大治町の岩本好広町長（５３）が道交法違反（酒気帯び運転）容疑で県警に検挙された事件で、岩本町長は２０日、辞職する意向を下方繁孝町議会議長に伝えた。事件の責任を取ったとみられる。下方議長が記者団に明らかにした。

　岩本町長は２０日朝、下方議長と会談し、「（開会中の定例議会最終日の）２１日に議長に辞表を出したい」と辞意を表明した。町長は会談で辞職の理由を明言しなかったが、町議会で町長の責任を追及する声が高まり、２１日に不信任決議案が可決される情勢となったため、辞職の意向を固めたとみられる。町長は２１日に記者会見して辞職を正式に表明する。

　また、議長との会談では「辞職は７月２日付にしたい」との意向も伝えた。町長選は、議長が町選管に辞職を通知してから５０日以内に実施される。

　岩本町長は今月１３日朝、同町花常の町道で自家用車を運転して登庁中、交通安全のビラを配布していた県警津島署員に停止を求められ、呼気１リットル中０・２５ミリグラム以上のアルコールが検出された。検挙後の記者会見で陳謝したが、進退については明言を避けていた。

　岩本町長は中日ドラゴンズなどで内野手としてプレーし、１９９０年に引退。町議２期を経て、２０１０年の町長選で初当選した。町議時代の０８年７月にも酒気帯び運転で物損事故を起こしたとして書類送検されていた。

　岩本町長と親交のある河村たかし名古屋市長は２０日、記者団に対し、「残念だけど政治をやる責任者が飲酒運転をやってはいかん。（辞職は）仕方ないと思いますね」と語った。【渡辺隆文、井上直樹】