＜弁護士逮捕＞関与深い１人逃す　愛知・警官脅迫

　愛知県警警部を脅迫した男を逃走させたとする犯人隠避容疑事件で、元検事の弁護士、城（たち）正憲容疑者（６５）が脅迫事件に関与したとみられる２人のうち、風俗店グループ「ブルーグループ」の元幹部、青木公司容疑者（４３）を逃亡させる一方で、もう１人の男（２０１２年８月に事故死）にはグループの仕事を続けるよう指示していたことが、捜査関係者への取材で分かった。県警は、青木容疑者が深く関与していたことを城容疑者が認識していたとみて調べている。

　捜査関係者によると、１０年の脅迫事件では、２人が県警警部に脅迫電話をかけたとみられている。城容疑者は１１年６月中旬ごろ、「（男には）そのまま１号車の仕事をさせておく。みっくん（青木容疑者）には逃げるよう言っておいて」とグループの元幹部、山口修容疑者（３８）に指示したという。「１号車」とは、グループを率いる佐藤義徳容疑者（５５）の車で、この男は当時、佐藤容疑者の秘書を務めていた。

　捜査幹部は「佐藤、城両容疑者は、関与の度合いが大きい青木容疑者が逮捕されることを、より恐れていた節がある」と話す。また関係者によると、青木容疑者は当時、グループの運営から外れ、佐藤容疑者の指示で探偵業を始めており、逃亡させたとしてもグループ経営への影響は少なかったとみられる。

　もう１人の男は脅迫事件が摘発される半年前の１２年８月、佐藤容疑者らと西太平洋の島々からなるパラオに行った際、スキューバダイビング中に水死している。

　県警は１日、佐藤、城両容疑者ら３人を犯人隠避容疑で、また青木容疑者ら２人を携帯電話不正利用防止法違反容疑で、それぞれ名古屋地検に送検する。