＜尼崎連続変死＞美代子元被告の親族ら殺人容疑で再逮捕へ

　兵庫県尼崎市の連続変死事件で、２００５年７月に沖縄県の崖から転落死した男性について、自殺した角田（すみだ）美代子元被告（当時６４歳）の親族が「交通事故を装って死なせようとしたができなかった。転落にみせかけて確実に死ぬよう沖縄旅行を計画した」と供述していることが、捜査関係者への取材で分かった。兵庫県警は、交通事故死偽装の失敗をきっかけに崖転落死を計画したとみて、２１日にも、美代子元被告の親族６被告＝殺人罪などで起訴＝を殺人容疑で再逮捕する方針。

　捜査関係者によると、美代子元被告は親族を集めた家族会議で、男性に「死亡保険金で皆を助けるために死んでくれ」「自転車で交差点に飛び出して車にぶつかって死ね」などと繰り返し迫った。男性は交通事故を装って死のうとしたが、できなかった。その後、美代子元被告が沖縄旅行を計画。男性に飛び降り以外ないと思い込ませたという。

　男性は、美代子元被告の義妹、三枝子被告（６０）の夫、久芳さん（当時５１歳）。

　６被告は美代子元被告と共謀し、沖縄県恩納村の景勝地・万座毛の崖から久芳さんを飛び降りさせ、転落死させた疑いが持たれている。

　再逮捕されるのは、いずれも美代子元被告の自宅マンションで同居していた▽いとこの李正則（３９）▽養子の健太郎（３１）▽内縁の夫の鄭（てい）頼太郎（６３）▽三枝子▽息子の優太郎（２６）▽その妻、瑠衣（２７）−−の６被告。【井上卓也】