＜連続不審火＞石崎容疑者「十数件火を付けた」　愛知・安城

　愛知県安城市内の連続不審火事件で、タイヤを燃やしたとして器物損壊容疑で現行犯逮捕された同市安城町栗ノ木、無職、石崎孝行容疑者（３６）が、県警の調べに「３月上旬から十数件、火を付けた」と供述していることが３０日分かった。県警は同日、安城署に捜査本部を設置した。市内では３月９日から計２４件の不審火が発生しており、捜査本部は石崎容疑者が一連の不審火のほとんどに関与していたとみて、裏付け捜査を進めている。

　捜査本部によると、石崎容疑者は「今年２月に母親が病気で亡くなり、もやもやしていた。寂しさを紛らわせようと火を付けたらスカッとした。次第にエスカレートしていった。竹やぶや空き家、わら、車などに火を付けた」と供述しているという。

　調べでは、石崎容疑者の自宅から数キロ離れた場所で起きた不審火について、「（自動車を持っておらず）家から歩いた」と供述しているという。

　不審火の連続発生を受け、市は対策本部を設置し、地元住民はパトロールをして警戒を続けていた。石崎容疑者はこの間、近所の人や県警の捜査員らに対し「外国人風の３人組が火を付けるのを見た」などと話しており、捜査本部は捜査をかく乱する狙いがあったとみて調べている。

　石崎容疑者は４月２５日午後８時５０分ごろ、自宅の県営秋葉住宅の４階通路に置かれたタイヤを燃やし、損壊したとして逮捕され、「タイヤにライターで火を付けた」と容疑を認めているという。【岡大介、三上剛輝】