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<随意契約>道路の清掃業務 福岡市が46年間継続
2013 / 05 / 01 ( Wed )

<随意契約>道路の清掃業務 福岡市が46年間継続

毎日新聞 5月1日(水)3時30分配信

 福岡市が管理する道路の清掃業務を、清掃会社「環境開発」(福岡市)に46年間にわたり随意契約で委託していたことが、市や会社関係者への取材で分かった。委託料は、11、12年度だけでも計14億4000万円。同社は天下り先で、ほかにも市や市の外郭団体と長期の随意契約をしていることが判明しており、11、12年度全体の随意契約額は少なくとも30億円以上となる。天下り先1企業に随意契約が集中することに対し市は「改善すべきは改善する」としている。

 関係者によると、市は、67年度から市が管理する主要道路のごみ清掃や水まきなどを随意契約で同社に委託。同社は11年度には1日当たり計335.9キロの道路清掃をした。

 同社はこのほかにも市や市の外郭団体「市緑のまちづくり協会」と随意契約を締結。契約期間は下水道管清掃業務46年間、公園のごみ搬出やトイレ清掃業務などは28年間に及ぶ。下水道管清掃業務は11、12年度で計約13億8500万円、公園のごみ搬出業務などは12年度だけで約2億円の契約額となっている。

 市によるとこの会社は以前、し尿処理を主業務としていたが、下水道整備の進展により一般清掃業に業務内容を移行。その際に市が転廃業対策として随意契約を始めたという。契約が長期に及ぶ間に次第に天下り先になったとみられる。

 同社には現在、元収入役や元部長ら計5人の市OBが在籍。同社幹部の市OBは「(天下り受け入れは)会社の考えと思う。誰も引き受けなかった仕事を長年やってきた結果、競争相手がいなくなった」と説明した。

 市は02年度の包括外部監査で「随意契約では公正性が確保されず、高額契約となる場合がある。転廃業対策として政策目的を達成したら競争入札の検討を」と指摘され、道路清掃業務は14年度までに、公園清掃業務などは18年度までに随意契約をなくす予定という。

 同市の貞刈厚仁副市長は「転廃業対策として随意契約をしてきたのは確かだが、これから先も続けていいかは別問題。改善すべきは改善しなければならない」と話している。【下原知広、木下武】



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