中国人実習生、経営者に強い殺意か…広島殺傷

　広島県江田島(えたじま)市のカキ養殖業「川口水産」で１４日、中国人技能実習生が同僚ら８人を殺傷した事件で、殺人容疑などで逮捕された陳双喜容疑者（３０）が、経営者の川口信行さん（５５）の頭部をスコップで強く殴ったうえ、胸を複数回、刃物で刺して殺害していたことがわかった。

　陳容疑者は最初に川口さんを襲っており、県警は、強い殺意を抱いていた川口さんを狙って犯行に及んだとみて動機などを詳しく調べる。

　県警などによると、川口さんの傷の状況や、上着が広範囲に裂けていることなどから、陳容疑者は、相当な力で殴ったり、刺したりしたとみられる。この後、従業員の橋下(はしした)政子さん（６８）（死亡）らに襲いかかったという。

　カキ養殖が盛んな江田島市では、近年、過疎・高齢化に伴って、水産加工場で外国人を受け入れるケースが相次いでいる。中国人技能実習生の就業をあっせんする同市の「日中友好経済協同組合」によると、陳容疑者は川口水産加工場の２階に住み込み、真面目で不満も漏らさなかったという。