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一気に選挙モード、各党・地方ドタバタ大車輪
2012 / 11 / 15 ( Thu )

一気に選挙モード、各党・地方ドタバタ大車輪

読売新聞 11月15日(木)14時35分配信

 急転直下の解散表明から一夜明け、各党の地方組織は一気に選挙モードに突入した。

 民主は離党者の続出でいまだに多くの「空白区」を抱え、第3極は擁立する候補者が不足するなど遅れが目立つ一方で、衆院解散に備えて準備を進めてきた自民は余裕の表情。来月4日の公示日まで残された時間はあと19日。政権の枠組みを決める次の衆院選は、「時間との戦い」の様相を呈している。

 困惑

 野田首相のおひざ元の千葉県では、13選挙区のうち民主党は4か所で擁立する顔ぶれが未定のまま。降って湧いたような14日の解散表明を千葉県連の田中信行幹事長は「驚きをもって受け止めた」という。しかし、候補者調整は難航しており、「解散後、早急に選対会議を開いて対応を協議する」と追い立てられた様子で語った。

 被災地の福島県も、2選挙区で候補者が未定。県連の宗方保幹事長は「復興に取り組んでいる最中で、解散して衆院選をするタイミングではない」と厳しい表情を浮かべ、解散の決定について「県議団は反対の議決をする予定だ」と語った。

 民主は他にも候補者未定の「空白区」を抱えており、準備が十分とは言えない状態。候補者調整を巡って、「焦りはあるが誰でもいいというわけにもいかない」(鳥取県連)、「ぎりぎりまで努力するが、逆風下で本当に厳しい」(島根県連)など、このまま選挙戦に突入することに困惑する声も多いが、富山県連の坂野裕一幹事長は「解散表明は唐突感はあるが、野田首相は『今がベスト』と判断したのだと思う」と語った。

 「風」警戒

 自民は組織を挙げて年内解散を強く主張してきただけに選挙戦の準備を着々と進めてきた。「年内解散は想定の範囲内。立候補予定者も立てており、臨戦態勢にある」と自信をのぞかせるのは、埼玉県連の長沼威幹事長。島根県連の中村芳信副幹事長は「県内全域を国会議員、地方議員が回り、住民の声に耳を傾け、支持を訴えてきた」と語り、「選挙準備はすでに整っている」と余裕をのぞかせた。

 宮城県連会長の小野寺五典(いつのり)衆院議員は、「衆院選で次の政権の枠組みを決め、早く政治を安定させて被災地の復興を加速させていきたい」と語った。不安材料は民主より第3極の動向という声もあり、和歌山県連の吉井和視幹事長は「維新などの『風』に流されないよう、支持層をしっかり固めないと」と気を引き締めた。

 焦り

 橋下徹大阪市長が代表を務める日本維新の会は15日、幹事長の松井一郎大阪府知事らが、公認候補の内定者に出馬の意思確認をする面接を行い、準備作業を加速させた。

 ただ、当初は17日の段階で「80人以上」としていた1次公認も、14日までに面接した約20人のうち3割は出馬を保留したといい、幹部は焦りを募らせている。「候補者の擁立を大阪中心に切り替えるべきだ」という主張も出始めており、主要メンバーが対応を協議する。

 すでに出馬を表明した立候補予定者たちも、突然の解散表明には驚いた様子。岩手の選挙区で「国民の生活が第一」の公認候補として出馬予定の元衆院議員秘書(46)は「とにかく現実を受け止めて対応するしかない」と慌ただしく選挙準備に入った。



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