＜個人情報漏えい＞長野県警巡査部長再逮捕へ　加重収賄容疑

　長野県警の巡査部長２人が車検証記載の個人情報を漏えいしていた事件で、地方公務員法違反容疑で逮捕された同県警巡査部長の石黒俊雄容疑者（６０）が情報を漏らす見返りに県警ＯＢで探偵業、平林大生容疑者（６０）＝同法違反容疑で逮捕＝から報酬を受け取っていた疑いが強まり、愛知県警は勾留期限の１０日にも、石黒容疑者を加重収賄容疑で、平林容疑者を贈賄容疑で再逮捕する方針を固めた。捜査関係者が明らかにした。【稲垣衆史】

　同様に漏えいしたとされる長野県警巡査部長、倉品宏容疑者（５０）＝同法違反容疑で逮捕＝も平林容疑者から商品券などを受け取ったことを認めており、愛知県警は倉品容疑者についても加重収賄容疑で立件するための詰めの捜査を進めている。

　捜査関係者によると、石黒容疑者は平林容疑者から携帯メールなどで依頼を受け、勤務先の駐在所に設置された車両情報照会用の端末を不正操作。引き出した情報を携帯メールなどで漏らしていたとみられる。

　平林容疑者はこの情報を１件当たり１万３０００円で愛知県の調査会社に販売していた。石黒容疑者への報酬は明確に金額が決まっておらず、数千円を渡す場合が多かったとみられる。現金をまとめて手渡しし、駐在所で受け渡したこともあったらしい。

　車両情報の照会は０７年に原則として本人以外はできなくなった。県警はこの時期から漏えいが本格化したとみて調べている。加重収賄罪は、公務員が職務に関して賄賂を受け取ったり、要求するなどして職業上の不正行為をした場合などに適用される。罰則は「１年以上の有期懲役」で、単純収賄罪の「５年以下の懲役」に比べて重い。