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普天間移設政府案、現行計画地に杭打ち桟橋
2010 / 04 / 30 ( Fri )
 沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題で、与党幹部が米政府関係者に「政府案」として示した滑走路の設計案が30日、明らかになった。 同県名護市辺野古にある米軍キャンプ・シュワブの沿岸部を埋め立てる現行計画の場所とほぼ同じ位置に、「杭(くい)打ち桟橋(QIP)」方式を採用し、1800メートルの滑走路1本を建設する内容となっている。今後、技術面も含めた日米協議のたたき台となる見通しだ。

 鳩山政権は、「沖縄の負担軽減」などを名目に、日米両政府が2006年に合意した現行計画を白紙に戻して再検討を行ったが、同計画とほぼ同じ場所に滑走路を造る案が出ていることになる。社民党や沖縄だけでなく、各方面からの厳しい批判が予想される。

 与党幹部が示した政府案によると、滑走路は、現行計画にあるV字形の滑走路2本のうち、北側の1本(1800メートル)を数百メートル西にずらす。このうち800メートルは陸上に置き、西側の海上部分に1000メートルが突き出る形で建設する。工法は桟橋方式を採用する。設計図には、「キャンプ・シュワブ・ジャケット案」とある。政府が2000~02年に検討した桟橋方式の中にも「ジャケット方式」が一つの工法として盛り込まれていた。

 また、現行計画が建設開始から完成まで5年間を要するとしているのに対し、同案は「建設開始から3年で完成できる」としている。

 米政府は、鳩山首相が移設問題の「5月末決着」を目指していることに関連し、「アイデアではなく、まじめな提案を早く示してほしい」(キャンベル国務次官補)と求めてきた。日本政府は日米協議のたたき台となる具体的な案の策定を急いでおり、今回の案もこうした中で固まってきたものと見られる。

 日米関係筋によると、米国防総省のマイケル・シファー次官補代理が来週前半に来日し、日本の提案を踏まえた軍事運用面の実現性などについて、日本側と実務者協議を行うことになった。

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