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首相、国内投資促進プログラム策定を指示
2010 / 08 / 29 ( Sun )
 菅首相は28日、国内雇用を確保する「日本国内投資促進プログラム」の策定を関係閣僚に指示した。

 急激な円高で国内産業が空洞化し、雇用情勢が一段と悪化する懸念が広がっているためだ。首相は、このプログラムの一部を前倒しして31日に基本方針を発表する追加経済対策に盛り込むほか、2010年度補正予算の編成を検討する考えも表明した。さらに日銀は31日にも臨時の金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和に踏み切る方針だ。

 首相は、視察先の北九州市で記者団に「経済を立て直すには、1に雇用、2に雇用だ」と強調し、雇用対策の重要性を訴えた。

 企業部門が保有する約200兆円の現金・預金を投資に振り向け工場の国内への立地を促すのが狙いで、10月にもまとめる。「追加経済対策に取り入れられるものは取り入れ、補正予算にも盛り込みたい」とも述べた。具体的には、LED(発光ダイオード)照明やリチウムイオン電池など、日本企業が競争力を持ち温室効果ガス削減にも役立つ産業の新工場立地を促し、雇用創出につなげる。さらに、国際的に高水準な法人税の実効税率引き下げや中小企業支援も引き続き検討する。

 追加対策は、10年度予算の「経済危機対応・地域活性化予備費」の残り9200億円を活用する。10年度補正予算の財源は、09年度一般会計決算の純剰余金のうち8000億円を見込んでいるが、赤字国債を発行する可能性もある。

 一方、日銀が追加緩和に踏み切るのは、政府・日銀が一体となって円高による景気の腰折れを防ぐ姿勢を強調するためだ。菅首相も28日、「政府の経済対策と日銀の金融政策は車の両輪」と強調し、日銀との連携を深める意向を示していた。

 臨時会合では米経済の減速と円高・株安により、景気が下ぶれする可能性について議論する方針。その上で、追加の金融緩和策として、年0・1%の固定金利で金融機関に貸出期間3か月の資金を供給する「新型オペ(公開市場操作)」の拡充を検討する見通しだ。

 ただ、日銀内部には、長期国債の買い入れ額の増額や、現在年0・1%の政策金利の引き下げに対しては異論が多く、導入する可能性は低いとみられる。

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