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タンカー爆発、安全な海でなぜ…年3千隻超通過
2010 / 07 / 28 ( Wed )
 「海賊を想定しづらい海域なのだが……」。ホルムズ海峡で28日、大型原油タンカーを襲われた商船三井の担当者は驚きの表情を浮かべた。

 外部から攻撃を受けた疑いが強いにもかかわらず、襲撃者は不明のまま。船舶関係者の間には戸惑いが広がっている。

 同海峡付近は、中東から日本に原油を運ぶタンカーが頻繁に通行する。日本船主協会の統計では、昨年1年間に加盟社の計約3400隻が同海峡を通っているが、攻撃を受けるなどの被害はなかった。

 防衛省によると、ソマリア沖のアデン湾で活動していた海賊は最近、各国海軍による監視の目を避けるため、アラビア海までは活動域を拡大している。ホルムズ海峡はアラビア海のさらに北側にあるが、海賊が使う小型船でたどり着ける距離ではないという。国際海事局の統計でも、海賊の発生はほとんど報告されていない。「小型船舶で活動しているアデン湾の海賊が進出したとは考えにくい」。同省幹部は首をひねる。

 船舶関係者の間では、「安全な海域」が共通認識だった。同協会の担当者は「海賊が出る恐れはない海域と考えていたので、驚いている。予想もしないことが起きた」と話す。

 防衛省によると、ホルムズ海峡やペルシャ湾一帯は、アフガニスタン周辺のテロ組織が、イエメンやアフリカとの間で武器や麻薬などを輸送するルートになっており、テロ行為は散発的に発生しているという。同省幹部は「テロ組織による襲撃の可能性もあるが……」と話した。

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