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<口蹄疫>宮崎県が復興基金設立へ 数百億円規模
2010 / 07 / 28 ( Wed )
 口蹄疫(こうていえき)で打撃を受けた宮崎県が、畜産業や地域経済の再生・復興のため、口蹄疫対策特別措置法に基づく基金を9月に設立する方針を固めた。再生・復興事業を迅速に実施するためには、柔軟な運用が可能な基金創設が必要と判断し、数百億円規模を念頭に、国に財政的な支援を要望する。また、発生が集中した川南町などを「復興特区」に指定するよう国に要望し、補助事業の優先採択や税制優遇を求めていく。県はこうした取り組みを強め、傷ついた“畜産王国”の復活を目指す。

 感染拡大により牛や豚約29万頭が殺処分された苦い教訓を踏まえ、県は畜産経営形態の見直しや、地域産業の再構築を進める考えだ。口蹄疫が流行した要因に畜舎の過密化や農家1戸あたりの飼育頭数の増加が挙げられる。しかし、規模を縮小した場合の経営展望が現状では見通せないほか、農業生産額や雇用も減ることが予想される。

 このため、野菜や果樹など他の作物への転換を支援したり、ハム・ソーセージ加工場を設けて新たな雇用・経済効果を創出するなど、畜産に代わる地域産業の振興も図る方針。復興基金を活用して、地域経済の再生に向けた具体的事業を推進する。

 また基金では、畜舎の消毒設備の整備▽食や観光のイベントによるイメージ回復▽家畜を埋めた埋却地の環境対策−−など幅広い分野での支援を検討している。

 県は各地域の実情に応じて具体的な事業内容と予算を取りまとめ、今月末に国に要望する予定。内容に応じて従来の国の補助事業も活用する。

 東国原英夫知事は27日の定例会見で「清潔で安全、観光や商業も盛んな畜産地帯にしたい。元に戻すのではなく、新生させる」と述べた。また、今回の口蹄疫禍について「反省点は初動防疫や早期措置、埋却地確保。改善されなければ悲劇は繰り返される」と振り返った。【石田宗久】

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