「大阪都構想」是か非か…堺市長選きょう投開票

　堺市長選は２９日、投開票される。

　大阪、堺両市と大阪府を統合再編する「大阪都構想」が最大の争点。無所属で再選を目指す竹山修身氏（６３）（自民党支持、民主党推薦）と、諸派で地域政党・大阪維新の会新人の西林克敏氏（４３）の両陣営は、選挙戦最終日の２８日も繁華街や商業施設を回り、ラストコールに声をからした。２９日深夜にも当落が判明する見通しだ。

　自民、民主両党のほか、共産党と社民党府連が自主的に支援する竹山氏の陣営は、２８日も多くの党関係者が堺市入りした。

　同市南区の泉北高速泉ヶ丘駅前の街頭演説には、自民党の野田総務会長が参加し、「党三役の私が来たということは、『推薦』に格上げされたと言ってもいい。竹山さんを堂々と勝たせてほしい」と呼びかけた。

　南海堺東駅前での最後の集会では、民主党の樽床伸二・前総務相が「堺市は財政状況の良い、素晴らしい街。大阪の明日を切り開こう」と話した。竹山氏の高校の先輩で、日本サッカー協会の川淵三郎最高顧問も「（都構想で）堺をなくすことは断固として許せない」と力を込めた。

　共産党系の団体も連日、市内各駅で竹山氏への支持を呼びかけた。

　西林氏の陣営は、橋下代表と松井幹事長がそれぞれ駅前やスーパーなどでマイクを握った。

　南海堺駅前で演説に立った橋下氏は「大変苦しい選挙。堺がなくなるという、相手のくだらない主張で都構想が崩れるのは悔しい」と語った。そのうえで、構想を実現するには住民投票が必要と強調。「市民に不利になるようなことはしない。府、大阪市、堺市で手を結び、大阪発展のエンジンになろう」と訴えた。

　松井氏も団地やスーパーなどで「このままでは堺は衰退したまま。大阪全体で成長していこう」と熱を込めた。夜には、西林氏の地元の同市南区の泉北高速泉ヶ丘駅前で橋下、松井両氏が合流。西林氏と最後の街頭演説に臨み、「堺市をよくするためだ」と都構想に理解を求めた。