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<安倍首相>原爆症新基準 認定緩和表明へ
2013 / 08 / 05 ( Mon )

<安倍首相>原爆症新基準 認定緩和表明へ

毎日新聞 8月5日(月)13時6分配信

 原爆症認定申請に対する国の不認定が相次ぐ中、6日に広島を訪問する予定の安倍晋三首相が、積極的に認定を進める方針を表明する方向で調整していることが5日、与党関係者への取材で分かった。原爆症認定では2008年から基準を緩和した新認定基準が導入された後も認定されないケースが多く、裁判で国の不認定処分が取り消されるケースが相次いでいる。政府は新基準を柔軟に適用することで実質的に認定範囲を広げ、高齢化する被爆者の早期救済を図るとみられる。

 緩和される内容は、自民党の「原子爆弾被爆者救済を進める議員連盟」が求めていた、爆心地から3.5キロ以内での被爆者や原爆投下から100時間以内に2キロ以内に入った入市被爆者のうち、がんや白血病になった場合は全員救済▽入市被爆者について甲状腺機能低下症などの疾病も積極的に認定−−などを軸に検討されている。

 病気が原爆の放射線に起因し、治療を要すると認定した人に医療特別手当(月額約13万6000円)を支給する「原爆症認定制度」は08年4月に基準を見直し、爆心地から3.5キロ以内▽原爆投下から100時間以内に2キロ以内に入市などの被爆者について、放射線起因の「がんや心筋梗塞(こうそく)など7疾病」を発症すれば認定−−することになった。しかし、認定基準緩和後も、発病時期や、症例の内容で認定されないケースが続出していた。

 不認定処分を受けた被爆者らは相次いで提訴。8人が認定を求めて大阪地裁で起こした訴訟では今月2日、8人全員を原爆症と認める判決が出された。

 ただ、新基準のさらなる見直しを進めている厚生労働省の検討会では、現行制度を廃止して全ての被爆者に一律に「被爆者手当」を給付し、その上で疾病障害の程度により3段階で手当を加算する制度を求める日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)と、放射線に起因するとの認定が必要だとする専門家の間で議論が平行線のままとなり、結論が出ていない。そこで、今年1月から再開した自民党の議連が具体的な改善策を提案し、早期救済を求めていた。【吉村周平、加藤小夜】



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