＜参院選＞総力戦、党首ら集結　１０人乱立の愛知選挙区

　参院選公示後初めての日曜の７日、１０人が乱立する愛知選挙区（改選数３）には、激戦を物語るように各党の党首らが応援演説し、支持を訴えた。同日には自民党の安倍晋三総裁の１５日の名古屋入りが決まるなど、各党は今後も党首クラスを送り込む方針で、総力を挙げて議席獲得を目指している。

　名古屋駅前では７日午後、党首２人が相次いで演説し、駅前の歩道は聴衆で埋まった。

　日本維新の会の石原慎太郎共同代表は午後０時２０分ごろ、名鉄百貨店本店前でマイクを握り「私たちは地方から日本を変えようとしたが、すべて国が反対する。役人が邪魔をし、改革が前に進まない」と訴えた。

　午後３時には共産党の志位和夫委員長が名古屋駅西口に立ち、東京都議選での躍進を強調し「原発輸出ほど恥ずかしいことはない。原発ゼロの政治判断が必要だ。憲法改正などを認める第三極も自民の補完勢力でしかない」と声を張り上げた。

　民主現職は党幹部を呼ばなかったが、名古屋市千種区の街頭演説に大村秀章愛知県知事が駆け付けた。大村知事は「民主党政権時代に航空宇宙特区の指定を受け、愛知を盛り上げてもらった。引き続き愛知を引っ張ってもらいたい」と話した。

　愛知選挙区には公示後、続々と党首や党幹部が訪れている。みんなの党の渡辺喜美代表は５日、みどりの風の谷岡郁子代表は５、６日に名古屋市内で街頭に立った。６日には自民の小泉進次郎青年局長と維新の橋下徹共同代表が同市内で演説した。社民党の福島瑞穂党首は１１日に訪れる。

　相次ぐ党首級応援に、ある新人の陣営幹部は「候補者に知名度がないので大変心強い。応援をテコに勢いを付けたい。今後も来てもらえればありがたい」と話していた。【井上直樹、駒木智一、高橋昌紀】