古屋拉致担当相、来週モンゴルへ　協力要請

　安倍晋三首相は５日、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向けて協力を求めるため、古屋圭司拉致問題担当相を来週にも特使としてモンゴルに派遣する方針を固めた。首相は古屋氏に親書を託す意向で、北朝鮮と国交のあるモンゴルの協力を得て、昨年１１月以降途絶えている日朝政府間協議につなげたい考えだ。参院選中に閣僚が外国を訪問するのは異例だ。

　古屋氏は先の大統領選で再選されたエルベグドルジ大統領の就任式が１０日にウランバートルで開催されるのに合わせて訪問、モンゴル政府高官と会談するとみられる。モンゴルには首相が３月、政府の三谷秀史拉致問題対策本部事務局長が４月に訪問し、拉致問題解決への協力を呼びかけた。

　日朝政府間協議が再開した場合、開催場所は第三国が想定されており、モンゴルは日本に「場所はいつでも貸す」（政府筋）と伝えてきているという。

　これに関連し、５月に訪朝した飯島勲内閣官房参与は５日夜、ＢＳフジの番組で拉致問題について「トップ同士の話し合いしかない。動き出すのは遅くても参院選後。（９月の）国連総会の前にはみえてくる」との見通しを示した。