韓国外相「正しい歴史認識先行を」…岸田外相に

　【バンダルスリブガワン（ブルネイ）＝大木聖馬】岸田外相と韓国の尹炳世外交相は１日、ブルネイで約３０分間会談し、日韓関係の発展に向けて緊密に協力していくことで一致した。

　日韓外相会談は昨年９月、国連総会に合わせてニューヨークで行われて以来、約９か月ぶり。安倍政権、韓国・朴槿恵政権発足後は初めてだ。

　岸田外相は会談後、記者団に「重層的で未来志向の日韓関係を築いていく上での重要なスタートとなった」と語った。

　ただ、尹外相は会談で、いわゆる従軍慰安婦などの歴史問題について、「日韓関係の安定と発展のため、正しい歴史認識が先行しなければならない。日本側が積極的に解決に向けた努力を傾注することに期待する」と述べた。これに対し、岸田外相は、安倍首相が慰安婦に対する「おわびと反省」を表明した１９９３年の「河野官房長官談話」を維持する考えを示していることを説明し、「安倍内閣の歴史認識や立場をしっかりと受け止め、日韓関係を運営してほしい」と求めた。