被災企業の支援機構統合へ＝業務効率化で復興加速―政府

　政府は19日、東日本大震災で被災した企業などの「二重ローン」対策に取り組む国の組織「東日本大震災事業者再生支援機構」と、岩手など5県にある「産業復興機構」を統合する方針を固めた。統合で業務の効率化を図り、復興支援を加速させるのが狙い。6月中にも正式決定し、統合後の制度設計を詰めた上で、必要な法整備をできるだけ早く進める考えだ。
　復興機構は2011年11月以降、政府と地元金融機関などの共同出資で岩手、宮城、福島、茨城、千葉の5県でそれぞれ発足。一方、再生支援機構は、復興機構が扱う事業者より規模の小さい零細企業などを支援する組織として、12年2月に設置された。
　支援先企業の規模などですみ分けを図るはずだったが、被災企業に対する債権を金融機関から買い取る二重ローン対策では業務内容がほぼ重なることから、被災企業などから「制度が分かりにくい」といった指摘が出ていた。また支援企業の選定などで競い合うといった問題も出ていた。
　このため政府は統合が必要と判断。統合では、再生支援機構が復興機構の機能・人員を吸収する。業務内容やエリアの重複を解消することで、事業運営の効率を上げるとともに、地方自治体や地元金融機関との連携強化を図る方針だ。