＜鹿沼クレーン車訴訟＞受刑者らも控訴せず　１審確定へ

　栃木県鹿沼市で２０１１年４月、登校中の小学生の列にクレーン車が突っ込み児童６人が死亡した事故で、元運転手の柴田将人受刑者（２８）と母親、元勤務先の３者が連帯して遺族１１人に計約１億２５００万円を支払うよう命じた宇都宮地裁判決について、柴田受刑者と元勤務先の両者の代理人を務める弁護士は７日、毎日新聞の取材に控訴しない方針を明らかにした。母親は既に控訴しないことを決めており、１審判決が確定する。

　弁護士は控訴しない理由について「賠償義務自体は争っていなかった」と説明。控訴しても、元運転手らの賠償額を軽減させるのは困難と判断したとみられる。

　一方、遺族側は、刑事裁判で問えなかった母親や元勤務先の責任が判決で認められたのを評価し、控訴しない方針を決めている。【中津成美】