ダーツ虐待の障害者施設、運営法人に改善命令へ

　福岡県小郡市の障害者就労支援施設「ひまわり」で起きた虐待事件で、福岡、佐賀両県は来週、施設を運営する小郡市のＮＰＯ法人「リブロ」（坂本勉理事長）に対し、障害者総合支援法に基づく改善命令を出す方針を固めた。

　同法人は両県内に障害者向けの１０施設を運営している。両県は１月、坂本理事長の長男の元管理職、坂本静治被告（４８）（暴行罪で公判中）が２０１０年以降、複数の系列施設で利用者７人に虐待を行ったと認定。〈１〉静治被告を運営から外すなど組織の刷新〈２〉第三者で構成する虐待防止委員会の設置――などを求める改善勧告を出し、法人側から４月までに報告や弁明を受けた。

　しかし、第三者委員会のメンバーに施設関係者が入るなどの問題点が複数あった。両県によると、命令には虐待の被害者や保護者への説明を徹底することなどを盛り込むという。

　改善命令後は１か月程度の期間を置き、再度法人側から報告を求める。命令に従わない場合は、施設の指定取り消しなども検討する。

　坂本被告は知的障害がある男性通所者をダーツの的の下に座らせ、的に目掛けて千枚通しを投げつけるなど３件の暴行事件を起こしたとして起訴されている。