テロ対策で「研修センター」…企業と情報共有

　日本人ら多数の外国人が死亡したアルジェリア人質事件を受けた政府の「在留邦人・在外日本企業保護に関する有識者懇談会」（座長・宮家邦彦立命館大客員教授）がまとめた報告書の内容が２５日、明らかになった。

　政府と海外進出企業との間でテロ関連情報を平時から共有するため、在外公館での「海外安全対策連絡協議会」の定期開催を徹底するほか、政府内に「危機管理研修センター」（仮称）を設置して、開発途上国に進出している企業を対象に、テロ対策などの研修を組織的、効率的に実施するよう求めている。

　懇談会は、人質事件での海外情報の収集・分析能力が不十分だったと指摘した政府の検証委員会による２月末の報告書を受け、改善策や、在留邦人・在外日本企業の保護のあり方について、３月から検討してきた。

　報告書は、人質事件では「海外での安全確保に時間とコストがかかり、（平時からの）開発途上国内での官民の連携構築が急務と思い知らされた」として、「今度こそ『官民連携メカニズム』を作り、育てていかなければならない」と強調した。