＜屋久島連続放火＞７５歳男を殺人未遂容疑などで再逮捕へ

　鹿児島県屋久島町で住宅９棟が焼け、兄弟２人が死亡した連続放火事件で、鹿児島県警は１５日にも、同町永田、無職、岩川健蔵容疑者（７５）＝現住建造物等放火、殺人未遂などの容疑で逮捕＝を別宅への現住建造物等放火や殺人未遂容疑で再逮捕する方針を固めた。県警は最終的には、死亡した会社員、岩川勝美さん（５４）ら兄弟２人の殺人や他の住民への殺人未遂など、全ての容疑での立件を目指す。

　県警によると、岩川容疑者は取り調べに対し容疑そのものについては口をつぐむが、「家が燃えてしまった人には申し訳ない」などと謝罪の言葉を述べ、「家に居続けたかった」という趣旨の供述もしているという。

　県警は、岩川容疑者が任意同行の際に所持していたリュックサックに残っていた木の粉と、放火現場に残された薪（まき）の成分が一致するか鑑定している。

　県警は１月２６日に岩川容疑者を逮捕、送検した。容疑は２１日午前３時１０分ごろ、死亡した兄弟とは別の、無職、中原重男さん宅に火をつけ、中原さん夫婦を殺害しようとしたなどとしている。

　火災では、民家６棟が全焼、３棟が半焼し、岩川さんと兄敏幸さん（５８）が遺体で見つかった。中原さん宅は半焼した棟の一つ。中原さん宅への放火容疑などは、１５日に勾留期限を迎える。【垂水友里香】