停電６００戸、４人けが　北海道東部で震度５強

　２日夜に起きた道東地域を中心とした震度５強の強い地震では、約６００戸が停電したほか、４人が頭などにけがをした。ＪＲは一部区間を運休し、高速道路も一時通行止めとなった。

　気象庁によると、震源は十勝地方中部で、浦幌町や釧路市、根室市で震度５強を観測。帯広市や函館市、札幌市などでも震度５弱～３を観測した。

　北見地区消防組合によると、市内の男性（６６）が地震で驚いてベッドから落ち、左肩を脱臼するけがをした。釧路市では、地震に驚いた女性（３２）が階段を踏み外して頭などを打つけがをしたほか、８０歳代の男性がお湯がかかりやけどをした。帯広市でも女性（１９）が割れたガラスで足を切り、救急隊員により手当てを受けた。

　北海道電力によると、３日午前０時現在、釧路市音別町と浦幌町で計４６０戸が停電。池田町と清水町でも計１６０戸が停電している。釧路市役所には、「ガスが出ない」という通報が約６０件寄せられた。

　ＪＲ北海道は、札幌発釧路行きの特急「スーパーおおぞら１３号」が音別駅の手前で停車するなど、地震発生とともに根室線の落合―根室間と、釧網線の東釧路―緑間で運転を見合わせた。ＪＲはタクシーで乗客らを目的地まで運ぶという。

　高速道路は、道東道のトマム―足寄間などが通行止めになった。原子力規制庁によると、定期検査で停止中の泊原発への影響は見つかっていないという。

　震度５弱を観測した幕別町内のコンビニエンスストアでは、赤ワインなどの瓶が棚から落ちて割れ、店員が後片付けに追われた。発生当時、レジにいた女性店員は「横揺れが続いて、怖かった。けが人が出なくてよかった」と話した。

　釧路市内の銭湯で入浴中だった男性は、１分間ほど強い揺れを感じ、慌てて脱衣所に駆け込んだ。入浴客らが出口に殺到し、騒然となったという。