石綿肺で自殺、国が控訴断念へ　労災認めた岡山地裁判決

　アスベスト（石綿）の吹きつけ作業に従事し、石綿肺を発症してうつ病となった当時６０代の男性の自殺を労災だと認めた先月２６日の岡山地裁判決について、厚生労働省岡山労働局は１１日、控訴を断念することを明らかにした。

　１１日が控訴期限。岡山労働局は「理由は個別事案なので答えられないが、関係機関と協議して総合的に判断した」としている。遺族補償給付金の不支給処分の取り消しを求めて訴訟を起こした中国地方に住む男性の妻に、給付金が支払われるという。

　男性の妻は「命は帰ってきませんが、夫の思いが国に伝わった。やっと夫の尊厳が守られた」とのコメントを出した。