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電気料金上昇の懸念=再生エネルギー、価格は割高
2012 / 09 / 16 ( Sun )

電気料金上昇の懸念=再生エネルギー、価格は割高

時事通信 9月16日(日)16時2分配信

 再生可能エネルギーへの参入が拡大しているのは、7月に始まった固定価格買い取り制度が追い風になっているためだ。この制度は、電力会社に対し再生エネルギーで発電した電気を決まった価格で長期間買い取ることを義務付けており、一般企業にとって太陽光発電などは「低リスクの投資」(電力中央研究所の朝野賢司主任研究員)といえる。ただ、割高な再生エネルギーの普及が進めば、将来的には電気料金上昇の懸念もある。
 固定価格買い取り制度は、昨年3月の東京電力福島第1原発事故を受け、当時の菅直人首相が旗振り役となって導入した。再生エネルギー普及を後押しし、原発依存度の低減につなげる狙いがある。
 1キロワット時当たりの購入価格は、太陽光が42円、風力が23.1円。発電用機材の価格低下などを反映させるため、購入価格は原則として毎年度見直されるが、購入開始後は最長20年間固定される。
 液化天然ガス(LNG)や石炭の火力発電は1キロワット時当たりのコストが10円前後とされ、これと比べると再生エネルギーは割高だ。購入コストは電力料金に上乗せされる形で徴収され、2012年度の上乗せ額は1キロワット時当たり0.22円。標準家庭では全国平均で月87円の負担増となる。再生エネルギーの普及で購入電力量が増えれば、料金への転嫁が一段と進むことになる。
 同様の制度を2000年に本格導入したドイツでは、再生エネルギーの普及を背景に、昨年の電気料金への上乗せ額は月1000円にも達した。日本でも国民負担の急増を招かないよう、より頻繁な買い取り価格の改定など、最終消費者への配慮を求める声が根強い。
 一方、政府が今後、購入価格の引き下げに動いた場合には事業者側にとっては打撃となる。オリックスは今後3年間でメガソーラー(大規模太陽光発電所)の発電能力を10万キロワット規模にする計画だったが、購入価格の引き下げをにらんで2年程度前倒しする。引き下げが具体化すれば、こうした「駆け込み」の動きが加速しそうだ。 



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