＜研究費流用＞京大元教授、収賄容疑で立件へ　東京地検

　京都大学大学院薬学研究科の元男性教授による公的研究費流用問題で「預け金」を管理していたとされる東京都内の医療機器販売会社が元教授側に不透明な資金を渡した疑いがあることが分かった。この会社は元教授側と多数の物品契約を結んでおり、東京地検特捜部は贈収賄容疑で来月上旬にも立件の方向で検討に入った模様だ。

　大学関係者などによると、元教授側は研究費を原資に物品を発注する際、この会社に架空の取引を依頼。物品の一部が納入されていないのに代金を支払い同社に管理させる「預け金」を繰り返していたとされる。元教授側は預け金とは別に、同社から数百万円の不透明な資金を受領していた疑いがあるという。特捜部は当初、研究費流用の疑いで捜索したが、この数百万円が契約締結に絡む賄賂に当たる可能性が高いとみている模様だ。

　この会社は０４～１１年度、元教授側と少なくとも計約５億円分の物品売買契約を結んだ。