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<長崎ストーカー殺人>署員旅行「影響否定できず」千葉県警
2012 / 04 / 22 ( Sun )
 長崎県西海市の2女性殺害事件で、千葉県警習志野署員がストーカーの被害届提出を先送りし、慰安旅行をしていた問題で、再調査を進めている県警が「旅行の事件捜査への影響は否定できない」と結論付ける方向で最終調整を進めていることが分かった。また、警察当局は鎌田聡千葉県警本部長の監督責任を問い、処分する方針を固めた。ほかに処分対象者は県警本部、習志野署幹部ら10人前後になるとみられる。

 事件は昨年12月16日発生。山下美都子さん(当時56歳)と義母の久江さん(同77歳)が刺殺され、長崎県警は山下さんの三女(23)の交際相手だった筒井郷太容疑者(27)を殺人容疑などで逮捕した。三女と家族は千葉、三重、長崎の3県警に相談や通報を重ねていた。12月6日に被害届を出そうと習志野署を訪れたが、三女からの被害聴取は同12日に先送りされていた。

 この間、8~10日に慰安旅行が行われ、刑事課係長とストーカー対策の責任者である生活安全課長は旅行で不在だった。県警は県公安委員会と連携し、「事態の急変に対応できなかった可能性がある」として、この間の経緯を中心に再調査を進めている。

 3県警は連携の不備などを認める報告書を今年3月に公表したが、同月22日に旅行の件が触れられていなかったことが判明。鎌田本部長や森末治刑事部長らは「旅行の事実は伝えられていなかった」と答えていたが、再調査の中で「昨年12月時点で、森末刑事部長に旅行の件は報告していた」との証言も出ている。森末部長は毎日新聞の取材に「記憶になく困惑している。報告を受けた際の書類にも記載されていない」と説明した。【小林祥晃、黒川晋史】

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