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代表質問、続く任命責任呪縛 「問責カムフラージュ改造」
2012 / 01 / 28 ( Sat )
 衆参両院は27日、野田佳彦首相の施政方針演説に対する代表質問を行った。自民、公明両党は、13日の内閣改造で初入閣した田中直紀防衛相の軽率な発言をこぞって取り上げ、首相を厳しく追及した。参院で問責決議を受けた一川保夫前防衛相、山岡賢次前消費者問題担当相を更迭したとはいえ「任命責任」の呪縛は続く。(斉藤太郎)

 ◆4カ月で6人交代

 「内閣改造で閣僚を5人も交代させたのだから自ら適材適所でなかったと認めたも同然ではないか。自らの任命責任をあいまいにした『問責カムフラージュ改造』にほかならない!」

 自民党の中曽根弘文参院議員会長は27日午前の参院本会議でこう断じた。公明党の井上義久幹事長も午後の衆院本会議で「政権発足から約4カ月ではや6人の閣僚が交代した。首相の任命責任は免れない」と述べ、足並みをそろえた。

 ◆「混乱の責任は首相」

 新任閣僚の中では田中氏がさっそく攻撃目標となっている。就任直後に米軍普天間飛行場移設問題で「年内着工」を明言し、慌てて撤回。誤解を解こうと23日に沖縄入りしたが、普天間飛行場周辺を飛行するヘリコプターについて「そんなに多いわけじゃないんでしょう?」と発言し、ひんしゅくを買った。野党が見逃すはずはない。

 「今度の内閣も適材適所だとは到底言えない。混乱を生み出しているのは問題大臣しか任命できない首相自身だ」。中曽根氏にこう迫られた首相は「経験と政策能力などを勘案して適格と判断した。中曽根氏の意見を胸に刻みたい…」と自らの人事下手を半ば認めざるを得なかった。

 それでも首相は低姿勢に徹するしかない。何としても消費税増税を含む社会保障と税の一体改革に関する与野党協議に自民、公明両党を引き込みたいからだ。

 中曽根氏は、首相が16日の民主党大会で「参院に法案を送りつぶしたらどうなるか。野党によく考えていただく手法も時には採用する」と衆院解散をほのめかしたことも激しく追及。首相は「政策議論を提唱した。趣旨が理解されなかったなら不徳のいたすところです」と頭を下げた。

 ◆下手に出ても…

 とはいえ、首相がいくら下手に出ても、与野党協議の障害は増えるばかり。

 井上氏は「民主党の年金抜本改革の具体像を示すべきだ」と重ねて求めたが、もし民主党が公的年金一元化を含む抜本改革案の試算などを示せば、将来のさらなる消費税増税に焦点が当たり議論はまとまらなくなる可能性がある。政府の東日本大震災関連会議の議事録が未作成だった問題など火種は尽きない。

 「国民生活は二の次、官僚の言うことが第一とならぬようにしてもらいたい」

 民主党離党者が結成した新党きづなの内山晃代表がこう注文を付けると、さすがの首相もムッとした表情になった。

 「国民の生活が第一という原点は不変です…」

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