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<新宇宙開発ビジョン>「日本人を火星に」古川担当相公表へ
2012 / 01 / 15 ( Sun )
 日本人による有人火星探査を−−。古川元久・宇宙開発担当相は、惑星有人探査の推進や宇宙産業の強化などを盛り込んだ新しい宇宙開発のビジョンをまとめた。古川担当相は東京都渋谷区で16日に開かれる、古川聡宇宙飛行士(47)の帰国報告会に出席して公表を予定。今後は、内閣府に設置を検討している宇宙政策の司令塔組織で、実現に向けた検討を開始する考えだ。

 ビジョンは「フロンティア(未開地)への挑戦」として、有人火星探査といった大きな目標の必要性を指摘。実現のために、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運んでいる無人補給機「こうのとり」の改良や、ロケットエンジンの高度化を進めてより遠くの軌道へ達する能力を持たせるなど、技術開発の面で「確実に歩みを進めていく」とした。日本の宇宙産業を強化し人工衛星などの輸出を増やす一方、民間事業者の新規参入を支援するなど、日本のものづくり力を活用して発展を目指すとしている。

 火星の有人探査を巡っては、オバマ米大統領が10年、「30年代半ばに火星軌道に人を送る」と表明。日欧などの宇宙機関は、今後25年程度の技術的な工程表作りに着手している。

 しかし、現在の日本の宇宙政策は、測位に使う「準天頂衛星」を最優先と位置づけるなど、宇宙の「利用」に重点が置かれ、独自の有人飛行技術開発に向けた動きは鈍い。ビジョンは、野心的な目標を示すことで人材の育成や国際貢献につなげたい狙いがある。

 ただ、宇宙開発予算は頭打ちの上、防災分野などでの宇宙利用を求める声も強まっており、有人宇宙開発にどれだけ資源を投入できるのかが大きな課題となる。【西川拓】

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