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「福島原発行動隊」年内現地へ=除染で助言、放射線量測定も―退役組
2011 / 10 / 30 ( Sun )
 東京電力福島第1原発事故の収束作業を志願する元技術者らによる「福島原発行動隊」が、年内に現地で活動を始める見通しとなった。放射能汚染のモニタリング調査に参加する一方、今後本格化する除染作業で助言・指導役を引き受ける予定だ。
 「放射線の影響が小さい高齢者が、若い人の被ばくを肩代わりする」。発起人の元技術者、山田恭暉さん(72)が60歳以上を対象に隊員を募ったところ、10月末現在で630人が参加を表明。1500人以上が支援を申し出た。東京都内の事務所にはスタッフが常駐し、任意団体のままでは活動に限界があるとして、一般社団法人としての登記も済ませた。
 山田さんらは7月、福島原発の作業現場を視察。8月には、原発内と周辺20キロ圏内でモニタリングやがれき処理、除染を行う用意があるとする提案書をまとめ、政府と東電に届けた。だが、いつまでたっても回答はない。「いつ現場に入れるのか」「議論だけでは意味がない」。隊員からは不満と焦りが噴出、解散を口にする中心メンバーも現れ、一時は「空中分解」の空気さえ漂った。
 「漫然と待っていても仕方ない」。意気込みが空回りする中、行動隊内の有志約50人が10月22日に福島県入り。津波にも襲われたいわき市久之浜地区で、がれきの片付けや側溝の除染に汗を流した。一方で、山田さんら“本隊“も、東電などによるモニタリング講習にメンバーを派遣して知識・技術を習得。特別のチームが年内に原発周辺での放射線量調査に参加できる方向となった。
 山田さんは25日、福島県庁で担当者と面会。除染の指導員を育成・登録する「人材バンク」設立に向け、県から協力を求められて快諾。放射線や建築、土木の技術者らを11月中に派遣し、さまざまな相談に応じることになった。 

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