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日米首脳会談 首相、対米5公約表明へ TPP交渉参加、武器輸出三原則緩和…
2011 / 10 / 21 ( Fri )
 野田佳彦首相は、11月のオバマ米大統領との首脳会談で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加や武器輸出三原則緩和など5つを「対米公約」として早急に実現に移す考えを表明する方針を固めた。複数の政府高官が明らかにした。日米最大の懸案となっている米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題に進展の兆しがない中、米側がかねて要求してきた案件をすべてのまざるを得ない状況に追い込まれた。

 首相が表明する「対米公約」は、(1)TPP交渉への参加(2)武器輸出三原則の緩和(3)南スーダンの国連平和維持活動(PKO)への陸上自衛隊派遣(4)BSE(牛海綿状脳症)問題を機に実施された米国産牛肉輸入規制の緩和(5)国際結婚の子の親権に関するハーグ条約加盟−の5つ。

 首相は、11月12、13両日にハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に際し行われるオバマ大統領との会談で、5つの案件を早急に実現する考えを表明した上で、安全保障・経済の両面で米国との関係強化を打ち出す。

 オバマ大統領は9月21日に米ニューヨークでの初の首脳会談で、普天間移設について「結果を求める時期が近づいている」と不快感を表明した上で、TPP、牛肉輸入規制、ハーグ条約加盟の3案件を挙げ「進展を期待する」と迫った。

 普天間問題では、沖縄県名護市辺野古に関する環境影響評価(アセスメント)の評価書提出以上の進展が望めないだけに、首相は、TPPなど3案件に、かねて米側が求めてきた武器輸出三原則緩和と南スーダンPKOを「おまけ」に加えることで、オバマ大統領に理解を求める考えだという。

 加えて、オバマ大統領は来年11月の大統領選を控え、高失業率や反格差社会デモにあえいでおり、協調姿勢を打ち出す好機だと判断した。米側が韓国を「太平洋安保の礎」と位置づけ、自由貿易協定(FTA)を推進するなど対韓関係強化に傾斜する動きに歯止めをかける狙いもある。

 対米公約に武器輸出三原則緩和を加えた意義は大きい。戦闘機開発などで日本の技術への米側の期待は高く、北大西洋条約機構(NATO)加盟国などとの共同開発も可能となる。

 一方、TPP交渉参加をめぐり民主党内は賛否が二分しており、首相が対米公約に掲げれば混乱に拍車をかける可能性がある。ハーグ条約加盟も、ドメスティックバイオレンス(DV)からの母子保護などの観点から反対が根強い。

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