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大連立の温度差、熱心な執行部・冷ややか非主流
2011 / 08 / 16 ( Tue )
 民主党代表選に出馬の意向を固めた野田財務相が打ち出した自民、公明両党との「大連立」をめぐり、党内の温度差が浮き彫りになってきた。

 新政権で野党との協調が必要だとの認識は共有しているものの、野田氏に近い党幹部らに賛成論が目立つ一方、現執行部と距離を置く勢力は慎重姿勢を見せる。政権の枠組みをめぐる議論は「ポスト菅」の主導権争いが絡み、熱を帯びてきた。

 「大連立にかかわらず、(新首相が)誰なら与野党協力ができるのかは当然、一つのポイントになる」

 野田氏に近い玄葉国家戦略相は、15日の記者会見でこう指摘した。その上で「たやすいことではない」としながらも、「大連立が望ましい」と述べた。

 前原誠司前外相も14日、「1年程度は政策を決めて大連立をやるべきだ」と語った。執行部やそれに近い党幹部は、大連立支持でほぼ足並みをそろえている。

 執行部が大連立に前向きなのは、菅政権で野党の激しい抵抗に直面し、「衆参の『ねじれ』を解消しなければ前に進めない」(閣僚経験者)と痛感したからだ。

 岡田幹事長、仙谷由人代表代行(官房副長官)には首相の退陣条件を巡る交渉で、「自民党側と一定の信頼関係を築けた」(仙谷氏周辺)との自負もある。

 玄葉氏が認めるように実現が容易ではないと分かってはいるが、低姿勢で大連立を呼び掛けることで、協力関係をさらに前進させたいとの思いが強いようだ。

 しかし、首相を支えきれなかった現執行部が、新政権の枠組み作りでも主導権を握ることへの警戒感も出ている。

 菅政権で首相の指南役と目されてきた北沢防衛相は、15日の記者会見で「言うのは簡単だが、『数が足りないから仲良くしましょう』と言って、できる話ではない」とけん制した。

 「自公両党と組むことは、民主党の主要政策見直しを是認することを意味する」(小沢一郎元代表周辺)と反発する声もある。馬淵澄夫前国土交通相や小沢鋭仁(さきひと)元環境相らが大連立に慎重なのは、こうした声の受け皿になることを念頭に置いているためとみられる。

 代表選でキャスチングボートを握る可能性のある「中間派」からも、現時点では比較的慎重な意見が出ている。

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