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地形、風向きが影響=排出まで牛出荷停止を―稲わら汚染で専門家
2011 / 07 / 23 ( Sat )
 福島第1原発から約200キロ離れた岩手県内の稲わらからも放射性セシウムが検出されたことについて、専門家は地形や風向きが影響したと指摘する。わらを食べた牛について、セシウムが体内から排出されるまでの一定期間、出荷を停止するよう求めている。
 酪農学園大学(北海道江別市)の林正信教授(獣医放射線生物学)によると、肉牛は通常、餌として牧草やトウモロコシを食べさせた上で、霜降り肉にする効果がある稲わらを出荷前に与えることが多い。わらは刈り取り後、野外で乾燥させるが、この間に水に溶けやすいセシウムを含んだ雨が降り、わらの中まで染みこんだ可能性が高いという。
 遠く離れた地域でセシウムが検出されたのは、風向きや地形、降雨の影響が考えられるが、3月12日から相次いだ原子炉建屋の爆発で大量の放射性物質が放出されたことが原因とみられ、「今後の検出量はそれほど増えないはずだ」と述べた。
 一方、大阪大核物理研究センター(大阪府茨木市)の藤原守准教授(原子核物理学)は、牛が体内にセシウムを取り込んでも、尿やふんで大部分が排せつされ、2~3カ月で半分、半年で8分の1程度になると指摘。「牛が生きた状態でないとセシウムは排出されない。すぐに出荷せず、半年程度待つべきだ」と話す。
 汚染された牛肉を食べた場合の人体への影響については、「正確な立証はできないが、基準値は危険とされる数値の100分の1~1000分の1程度に設定されている。基準を極端に上回らない限り、一時的に食べても影響が出るとは考えにくい」と話した。 

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