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<生肉食中毒>衛生基準、52%の飲食店守らず 厚労省調査
2011 / 06 / 14 ( Tue )
 厚生労働省が全国の生食用食肉を扱う施設を対象に実施した緊急調査で、焼き肉店など飲食店の52%で国の衛生基準が守られていないことが分かった。大腸菌などの自主検査をしていなかったり、調理器具の消毒が徹底していなかった。基準を守っていなかった施設には生肉の取り扱い中止を指導し、再開する場合は改善を確認する。同省は10月にも食品衛生法に基づく罰則付きの基準を新設する方針だが、現行基準が形骸化している実態が浮き彫りになった。

 調査は富山、福井両県の4人が死亡した焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件を受け、厚労省が保健所を所管する都道府県や政令市などを通じて実施。5月時点で牛と馬の生肉を扱っている焼き肉店などの飲食店1万4708施設、食肉卸業674施設、精肉店などの食肉販売業4474施設の計1万9856施設を対象に自治体職員が立ち入り調査した。

 この結果、飲食店7622施設(52%)、食肉卸業236施設(35%)、食肉販売業1593施設(36%)で基準を満たしていなかった。内容は、大腸菌などの自主検査の未実施(85%)▽器具の洗浄・消毒が不適切(51%)▽肉の表面を削り取るトリミングが適正に行われていない(33%)−−の順。今回の調査には集団食中毒後、生肉の提供を自主的に取りやめた施設は含まれておらず、実際は基準に不適合の施設がさらに多かった可能性もある。

 「不適合の施設は全くない」と回答した北海道函館市や京都市のような自治体がある一方、金沢市、兵庫県尼崎市、和歌山市、山口県下関市の4市が「全施設で不適合」と答えるなど地域差が著しかった。

 調査結果について厚労省は「基準を通知した98年当時は周知されていたが、業界の人が入れ替わり基準を知る人が少なくなったのではないか。これから夏に向け食中毒が増えるので、特に子供や高齢者は生肉を控えてほしい」と話している。【佐々木洋】

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