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国際結婚の親権ルール・ハーグ条約加盟表明へ
2011 / 01 / 10 ( Mon )
 政府は9日、国際結婚で生まれた子供の親権争いの解決ルールを定めた「ハーグ条約」加盟に向け、月内にも関係省庁による副大臣級会議を設置する方針を固めた。

 米国が再三求めてきた同条約の締結により、米軍普天間飛行場移設問題などで揺れた日米関係の立て直しの一助にする思惑があるとみられる。政府・民主党内にはなお、慎重論が根強くあるが、菅首相の春の訪米の際に加盟方針を表明することを視野に検討を進め、3月中に政府見解をまとめる予定だ。

 同条約を巡っては、国際結婚が破綻した日本人の親が結婚相手に無断で子供を日本に連れ帰り、外国人の親が面会を求めても、日本は条約非加盟のために法的に対応できず、トラブルになる事例が相次いでいる。欧米諸国は日本の早期加盟を求め、とくに米国は昨年9月に下院が日本政府に加盟を求める決議を採択するなど圧力を強めていて、日米間の摩擦になっている。6日(日本時間7日)のワシントンでの日米外相会談でも、クリントン国務長官が前原外相に早期加盟を求め、前原氏は「真剣に検討する」と応じた。

 日本では昨年2月、鳩山首相(当時)が外務、法務両省に早期加盟に向けた結論を出すよう指示。しかし、条約加盟により、DV(家庭内暴力)や虐待から逃れて子連れで帰国した日本人の妻を夫のもとに戻す事態なども想定され、「世論の合意ができていない」(法務省幹部)との慎重論、消極論も根強く、結論が先送りされてきた。民主党内でも、同条約加盟に関する小委員会が昨年11月にまとめた文書で、「『子の迅速な返還』が過度に強調され、利益にかなっていない事例がある」と問題点を指摘するなど、慎重な対応を求める声がある。

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