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ネット注文の「スカスカ」おせち、横浜市が調査開始
2011 / 01 / 06 ( Thu )
 インターネットの共同購入サイト運営会社「グルーポン・ジャパン」(東京)がサイトで販売したお節料理が「見本と違う」として苦情が相次いだ問題で、商品を提供した横浜市の飲食店経営会社に対し、市が事実関係の調査を始めたことが5日、分かった。消費者庁も、商品を実際より良く見せかける表示をしていたなどの景品表示法違反が確認されれば、厳正に対処する方針。

 横浜市によると、ネットの掲示板などに「料理の臭いがおかしい」といった商品の安全性に関する書き込みがあったため、市保健所が4日、商品を提供した「外食文化研究所」に立ち入り調査し、製造作業に衛生管理上の問題がなかったかなどを調べている。健康被害の報告はないという。

 岡崎トミ子消費者担当相は5日、「事実なら景品表示法違反になる」と述べ、違反が明らかになれば厳正に対処する意向を示した。同法違反には、商品価格が実際より著しく得するかのように見せかける表示も含まれる。

 グルーポンによると、お節料理は同研究所が昨年11月25〜27日、グルーポンのサイト上で販売。注文が事前に定めた一定数に達したため、税込みの「定価」が2万1千円の商品を「半額クーポン」を発行したという形式を取り、1万500円で500セット販売した。

 ところが、配達の遅れや内容が見本と異なり「スカスカ」といった苦情が昨年中に92件相次いだ。同研究所は購入者に全額返金し社長が辞任するとし「調理と詰め込みに予想以上の時間がかかった。できないものを無理に行ったことが事態を招いた」と説明。グルーポンは「商品の提供元の品質や製造、配送管理が十分適切であることを見極め切れなかった。事前調査を厳格化する」としている。

 問題の背景には、ネットを通じ短期間で集客が期待できる「共同購入型クーポン」という新手法の急拡大がある。いわば期間限定の前売り割引券で、サイトで各店の特典内容と販売予定数、購入期限を示し、期限までに注文が予定数に達すれば売買が成立する。

 「フラッシュマーケティング」という販売手法で、グルーポンが資本提携する米グルーポン社が2008年に始めた。国内でも昨年3月ごろから大小合わせて150ほどの類似サイトができているという。

 流通科学大の小畑徳彦教授(経済法)は「サイトは『半額』としていたが、実際に2万1千円で販売された実績がないのに『半額』と表示すると景品表示法に抵触する可能性がある。共同購入サイトに限らずネットで購入するのは現物を見られないリスクがあり、慎重に利用することが必要だ」と話している。

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