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首相訪沖の混乱懸念、米はシュワブ視察に難色
2010 / 04 / 29 ( Thu )
 沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で、鳩山首相が急きょ、5月4日の初の沖縄入りを決めたことについて、政府内で現地の混乱と事態の悪化を懸念する声が出ている。

 首相は移設先となる米軍キャンプ・シュワブ(名護市辺野古)を視察したい考えだが、地元では移設反対の横断幕が掲げられるなど、反発が強まっており、米側も首相の安全確保への不安などから、視察に難色を示すという異例の事態になっている。

 首相は今回の訪問で仲井真弘多知事と会談するほか、普天間飛行場のある宜野湾市やシュワブなどを訪れる考えだ。シュワブ沿岸部に移設する現行計画を修正し、鹿児島県・徳之島へのヘリコプター部隊の分散移転と組み合わせた政府の最終案を、現地で正式に発表することも検討している。

 しかし、首相のシュワブ視察の打診を受けた米側は「ゲートは1か所しかなく、激しい反対運動にさらされて、イメージが良くないのではないか」と日本側に再検討を求めた。「首相の安全を保証するのは難しい」とも伝えたという。

 名護市辺野古のバス通りには29日、「ヘリポート移設 絶対許すな」と大書された幅4メートルの横断幕が掲げられた。周辺住民の一人は「9万人が県内移設に反対したばかりなのに、その直後に来て修正案を押しつけるなんて、何を考えているのか」と怒りをあらわにした。

 首相が県内移設反対の大規模集会の直後に沖縄を訪問せざるを得なくなったのは、これまで公言してきた「県外移設」の道が閉ざされ、現行計画を修正して政府案とすることを、約束通り5月末までに決着させるにはこの時期に地元に説明することが必要だからだ。

 首相周辺は「『県外移設ではなく、申し訳ない』という気持ちから、自分で説明したいという思いがあった」と首相の誠意を強調するが、政府内では「先行きを見通せずに現行計画を破棄し、迷走したつけだ」と冷ややかな声が出ている。

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