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「自殺の原因」遺族・学校に認識差 いじめ調査、指針作成へ
2010 / 11 / 03 ( Wed )
 ■文科省「再発防止に不可欠」

 児童や生徒が自殺しても教育委員会や学校が事実を認識していないケースが多発していることから、文部科学省は2日、いじめの事実関係などを調べる「調査委員会」の設置・運営方法の指針を作成し、教委などに配布する方針を固めた。教委などに児童や生徒の自殺をはっきり認識させ、調査委員会の設置を促すのが狙い。

 群馬県桐生市の女児自殺では、遺族が「いじめが原因」と訴えたのに対し、学校側は把握しておらず、双方の見方が対立する形となっている。文科省ではこうしたケースの解消も目指したい考えだ。

 文科省によると、指針では、メンバーに医師や弁護士ら専門家を加えるなど調査委員会設置の手順を明記。警察との情報交換や家庭環境の調査など運営方法について手引を示し、自殺や原因の把握を進めさせる。

 指針の中では、学校側に不都合な事実も明らかにしたうえで、「事実を知りたい」という遺族の希望に応えるように求める。平成22年度中の作成と、各自治体への配布を目指す。

 小中学生や高校生の自殺については、警察が確認しても、教育委員会や学校側が自殺と認識していないケースが少なくない。自殺認知件数は警察側が306件(21年)としているのに対し、文科省の調査では165件(21年度)。しかも、約6割の原因が「不明」とされている。

 これまで教育現場では自殺について事実確認があまり行われず、調査委員会もほとんど設置されていなかった。文科省によると、自殺原因の報告書をまとめた教委は18〜21年度でわずか13教委だという。

 教育現場からは「自殺調査を好まない遺族が多い」「警察からの情報提供が少ない」という声も上がったが、文科省は再発防止には事実把握が不可欠との認識を示した。

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