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心臓移植 全施設11歳から 転院負担軽減 制限下げ要望へ
2010 / 10 / 25 ( Mon )
 心臓移植が実施できる9施設のうち、改正臓器移植法施行に伴って「15歳未満」の移植も可能となった3施設の設定年齢を「10歳以下」に引き下げ、従来15歳以上だったほかの6施設を含め全施設で11歳以上なら移植できるよう、日本小児循環器学会が厚生労働省などに要望することが24日、分かった。25日にも、要望書を提出する方針。

 現在、移植関係学会合同委員会で心臓移植実施施設として認定しているのは、北海道大病院や東北大病院、九州大病院など9施設で、このうち15歳未満も実施できる施設は国立循環器病研究センター、大阪大病院、東京大病院の3施設。

 現状では、3施設以外の実施施設で治療している15歳未満の臓器移植希望者(レシピエント)は、臓器提供者(ドナー)が現れた場合、3施設に移動する必要がある。関係者からは「患者の肉体的・精神的負担が大きい」との声が上がっていた。

 学会は「11歳以上なら、心臓移植が可能な施設のどこで心臓移植を行っても技術的に問題がない」としている。

 改正法で15歳未満の子供からの脳死移植が可能になり、体の小さい子供への臓器移植の道も開けた。

 ただ、子供の心臓移植は慎重な手術や術後管理が求められるため、改正法施行前の今年2〜3月、心臓移植関連学会協議会は、子供の心臓移植を行う施設の公募を実施。このときの設定年齢は「10歳以下」だったが、移植関係学会合同委員会は「15歳未満」で3施設を認定した。

 協議会を代表して委員会に出席した和泉徹・北里大教授は「委員会としては、失敗できない小児の心臓移植に慎重を期したいという気持ちがあったのだと思う」と説明する。

 日本小児循環器学会理事長の中西敏雄・東京女子医大教授は「信頼関係を築いた治療施設で手術も受けたいという患者の気持ちを極力かなえたい」、和泉教授も「要望が出れば、今後改めて協議会として委員会に申請を行うことも考えたい」と話している。

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