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<管財人横領>「裁判所の責任」判事が削除要請 調査報告書
2010 / 10 / 17 ( Sun ) 甲府地裁の破産管財業務を巡り業務上横領事件で逮捕された前任者から管財人業務を引き継いだ後任の弁護士(67)が04年、「被害拡大を招いた裁判所の責任も厳しく問われるべきだ」と監督責任を指摘する「調査報告書」を同地裁に提出したところ、担当裁判官(判事)から削除を求められていたことが分かった。弁護士は「裁判所からの圧力」と感じたが、修正に応じなかったという。債権者はこうした経緯を知らされておらず「裁判所は無責任なうえに自己保身を図っているようだ」と批判している。【太田誠一、渡辺暢】
前任者は山梨県弁護士会長も務めた元弁護士(60)で、宝飾会社(山梨県笛吹市)など5社の破産管財人を務めた。98〜03年、総額1億5833万円を横領し05年に懲役6年の実刑が確定した。裁判所は破産管財人に財産の処分状況を報告させ、適正に手続きが進んでいるかどうか監督する権限がある。判決などによると前任者は管財人の口座から裁判所の許可無く47回現金を引き出したが、裁判所がまったくチェックしていなかった。 後任の弁護士が破産管財人に選任されたのは04年9月14日。証言などによると、担当裁判官から「債権者集会で配布する報告書とは別に、事件の経過をまとめた調査報告書を作成してほしい」と依頼され翌月6日、A4判22ページにまとめ提出した。 調査報告書では事件の手口などを記載したうえで「開いた口がふさがらない」と批判。裁判所について「監督機能がまったく果たされていない。被害の拡大を招いた裁判所の監督責任も厳しく問わなければならず客観的な共同不法行為。裁判所の態勢を再考する必要がある」と指摘した。 裁判官は後日、後任の弁護士を甲府地裁に呼び出し「監督責任に触れないでほしい」「責任あるとの部分を削ってください」「責任は別の用紙にして、事実関係は事実関係で分けてやって(記載して)ほしい」などと求めた。書記官も立ち会い面談は30分以上に及んだが、後任弁護士は拒否したという。裁判所関係者によると事件後の調査報告書は管轄する高裁への報告や捜査機関からの照会に答える際、添付して使用する可能性があるという。 後任弁護士は「圧力と感じた。裁量の著しい逸脱で異常だ」と話す。現在、東京家裁に勤務する裁判官は取材に「お答えできません」と話し、文書による質問にも返答していない。甲府地裁の金井康雄所長は総務課を通じ「具体的な事項についてはお答えできない」と回答した。 ◇「自己保身だ」怒る債権者 業務上横領事件で破産管財人が交代した後、初めての債権者集会は04年10月25日に開かれ、後任弁護士は裁判所の責任についても報告した。破産手続きのうち倒産規模が最大だった宝飾会社のケースでは、最終的に債務総額約45億円に対し、一般債権者たちに戻ったのはわずか計約7200万円だった。 宝飾会社が倒産した影響で、経営していた甲府市の会社が事件後に倒産した債権者の男性(57)は「(調査報告書の経緯は)まったく知らされておらず怒りを感じる。裁判官の自己保身じゃないのか。裁判官が弁護士の調査に口出しするのは許されない」と批判。「裁判所の責任を追及するために、国家賠償訴訟を起こしても時間はかかるし勝ち目もない。バイクでダンプカーにぶつかるようなものだからあきらめた。マスコミに追及してもらうしかない」と話した。 【ことば】破産管財人 破産手続き開始決定と同時に裁判所から選任され、破産者の財産の整理や債権者への配当に当たる。破産法上、裁判所は管財人を監督するほか、財産の管理や処分を適切に行っていない場合、解任もできる。管財人には贈収賄などの罰則もあり、公務員に準じた義務と責任が求められる。 【ことば】甲府・破産管財人横領事件 元弁護士が破産管財人を務めた5社と破産申し立ての代理人を務めた2社の配当金など計1億5833万円を横領した。04年9月に発覚し破産管財人を辞任、同11月、逮捕された。甲府地裁は05年4月、裁判所の責任に直接言及しなかったが「関係機関の不適切な対応が被害拡大を招いた」などとして懲役10年の求刑に対し懲役6年を言い渡し、検察側、弁護側の双方とも控訴せずに確定した。元弁護士は刑期を終え、出所している。 ☆…今月のピックアップ…☆ 長いつばが特徴のニット帽!かわいくて小顔に見えるから人気なんです☆☆☆ 選べる9色展開!長めのつばで小顔効果抜群!ケーブル編みニットキャスケット【送料無料】売れて... |
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