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<証拠改ざん>「差し違えてもいい」同僚も公表迫る
2010 / 10 / 02 ( Sat )
 「最初から『故意』と話した」−−。大阪地検特捜部の主任検事が証拠品を改ざんし、同地検が隠ぺいした事件で、主任検事の前田恒彦容疑者(43)=証拠隠滅容疑で逮捕=が最高検の調べに対し「今年1〜2月に問題が発覚した当初から、『故意にデータを書き換えた』と上司に説明した」と供述していることが分かった。このころ、同僚の女性検事は「(前田検事と)刺し違えてでも公表すべきだ」と訴えていた。最高検は、上司の前特捜部長、大坪弘道容疑者(57)と前特捜部副部長、佐賀元明容疑者(49)=いずれも犯人隠避容疑で逮捕=が、どういう経緯で「過失による書き換え」で決着させることにしたのか調べている。

 今年1月27日、郵便不正事件の厚生労働省元局長、村木厚子さん(54)=無罪確定=の初公判で、厚労省の偽証明書が作成された日時について、弁護側が厳しく追及した。そのため、特捜部の女性検事が「公判部から偽証明書のデータが入ったフロッピーディスク(FD)の提出を求められるかもしれない」と同僚検事に相談。この同僚検事は昨年7月中旬、前田検事から「FDデータを書き換えて所有者の被告側に返却した」と聞かされており、それを女性検事に打ち明けた。

 女性検事が「証拠改ざんだ」と問題視し、初公判から3日後の1月30日、計4人の検事で佐賀前副部長に訴えた。佐賀前副部長は出張中の前田検事に電話で事実確認。その後、大坪前部長も含めて前田検事から直接、説明を受けた。前田検事はいずれも「過失だった」と弁解することなく、「故意にデータを改ざんした」と申し出たという。

 一方、前田検事による改ざんを深刻な事態と受け止めた女性検事は「前田検事と刺し違えてもいい。公表すべきだ」と強く訴えていた。

 部下の検事らが改ざんを隠ぺいする意図がないのに、大坪前部長、佐賀前副部長は「FDを検証していたら、データが変わってしまった可能性がある」という事案として処理しており、最高検は2人の間でどのような意思統一が図られたのかも調べる方針。

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