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<フードバンク>被災者にも食品配布へ 東京のNPO
2010 / 09 / 24 ( Fri )
 品質に問題のない廃棄食品を災害時に生かそう−−。包装の不備などを理由に捨てられる食品を福祉施設などに届けるフードバンク活動に取り組む東京都のNPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン」(2HJ)は、首都直下地震などの大災害時に、被災者へ食品を届ける活動を行うことを決めた。普段の食品配布のノウハウを生かす取り組みで、25日に実施される首都圏統一帰宅困難者対応訓練で初めて、食料提供を実施する。

 フードバンクは1960年代に米国で始まった。アリゾナ州でボランティア活動をしていた男性が、スーパーなどから廃棄する食品を寄付してもらい、福祉団体に無償配布したのが始まりで、貧困層支援の一翼を担う。日本では、2HJが02年から本格的に活動を開始。現在は約600社から寄付を受け、児童養護や母子家庭、路上生活者などの支援施設など約500団体に配布している。10年は800トン以上の取扱量を見込んでいる。

 2HJが取り扱うのは、ラベルの印字の不備などを理由に捨てられる食品が中心で、企業が災害用に備蓄した食品もある。備蓄食品は消費期限前に入れ替えるためで、訓練には入れ替えで廃棄される備蓄食品を企業から譲り受けて提供する。

 首都圏統一帰宅困難者対応訓練は、災害による交通途絶時に徒歩で帰宅する事態を想定した訓練で、今年で12回目。東京都千代田区の日比谷公園から川崎市稲毛公園など7コースに分かれ(一部のコースは別日程)、約20キロの道のりを歩く。途中、参加者に昼食として提供される食品の大半を2HJが担う。

 訓練を主管する東京災害ボランティアネットワークの上原泰男事務局長は「災害時に食料をどう確保し、配布するかは被災者の命をつないでいく上で重要だ。ノウハウを持った2HJとの連携は意義深い」と話す。2HJの秋元健二理事は「普段の活動が災害時に生かせる。訓練参加を通じ、フードバンクの仕組みを広く伝えたい」と語った。【飯田和樹】

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