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誤導、利益誘導…捜査手法を批判 村木元局長の弁護人 大阪でシンポ
2010 / 09 / 11 ( Sat )
 障害者団体向け割引郵便制度をめぐり偽の証明書を発行したとして、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省の村木厚子元局長(54)の無罪判決を受けて、大阪弁護士会は11日、取り調べの可視化(全過程の録音・録画)を求めるシンポジウム「可視化でストップ!違法な取調べ」を大阪市北区西天満の大阪弁護士会館で開いた。村木元局長の弁護人を務めた弘中惇一郎弁護士が出席し、大阪地検特捜部の調書の作成手法について「誤導、利益誘導、あらゆる方法が使われた」と批判した。

 裁判は、村木元局長の関与を認める調書に署名した関係者のほとんどが公判で供述を覆す異例の展開をたどった。

 弘中弁護士は「取り調べが可視化されていれば、強引に調書にサインさせることはできなかった」と指摘。関係者のほとんどが公判で供述を翻した理由について「最初に証人として出廷した厚労省の上司が調書の内容を否定したことが大きく報道され、他の厚労省の方が『法廷では本当のことを言っていいんだ』と勇気を持ったのではないか」と振り返った。

 また、判決については「人間の記憶の誤りについて分析し、客観的証拠を重視した」と高く評価。無罪が確定してからの話と断った上で「検察にどういう責任があるのかを検証し、取るべき手段を取りたい」と発言し、国家賠償訴訟を検討していることを明らかにした。

 シンポジウムには、大阪府枚方市発注の公共工事をめぐる談合事件で無罪が確定した小堀隆恒元副市長やジャーナリストの大谷昭宏さんも出席。小堀元副市長は自身の体験を振り返り「拷問ともいえる取り調べは密室だからできた」と指摘。大谷さんも「特捜部は存在意義を示すためにむちゃな捜査をし、冤罪を作りやすい」と述べ、取り調べの可視化を求めた。

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