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休院中の大森記念病院 3カ月給与未払い 転院で?患者7人急死
2010 / 08 / 04 ( Wed )
 経営悪化により7月10日から休院となっている大田区の「東京厚生会大森記念病院」(徳山代之理事長、115床)で、看護師や介護職員、事務職員など約130人の給与の一部が最長3カ月間にわたって未払いになっていることが3日、病院関係者らの話で分かった。さらに、休院によって転院を迫られた入院患者のうち7人が急死したことも判明。命を守るはずの病院で、非常事態が起きている。

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 大森記念病院は、京急大森町駅前にある医療型療養病床。家族がいないなど行き場がない社会的入院の高齢患者らを長期で受け入れていた。

 しかし、バブル崩壊後に経営悪化が顕在化。診療が続けられなくなり、6月30日に外来診療を終了。93人の入院患者の大半は他病院に転院を余儀なくなれた。

 病院関係者によると、職員の給与は3月分から現金支給になり、4月分から遅配に。5月分からは全く支給されなくなったという。

 経営陣から職員に今後の方針は知らされていない。そのため、新たな職探しができず、生活費に困る職員も多い。

 また、病院の負債を引きついだ会社が、病院の寮に入っている職員に、月内に寮からの退去を要請。次の住居のメドがたたない職員や、生活費を消費者金融などから借りたり、定期預金を切り崩してしのいでいる職員もいるという。

 事態を重く見た大田労働基準監督署は、未払い賃金の支払いを求めて経営者側に複数回にわたって労働基準法に基づく行政指導を行っているが、病院側は従えない状態だという。

 一方、入院患者の大半は65歳以上の高齢者。都によると、入院患者93人が病院の休院を知ったのは6月21日以降で、全員が7月9日までに、慌ただしく近隣の病院に転院するなどした。この転院作業中に5人が死亡。転院後も2人が死亡した。

 病院関係者によると、死亡した人の中には自力で歩行や、食事がとれていた男性もいたという。

 死亡と転院の因果関係は不明だが、「早急すぎる環境の変化が命に影響しなかったのか」との声もでている。

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