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相沢英之元衆院議員訴えられる…ゲゲゲの舞台で
2010 / 08 / 03 ( Tue )
 鳥取県米子市灘町にある昭和初期の和風建築「灘町後藤家」が荒れ果て、管理責任を巡って所有者と借り主の元衆院議員との間で訴訟になっている。

 京都の名工が手がけ、同県出身の漫画家水木しげるさん(88)夫妻の結婚式会場にもなった由緒ある屋敷。地元では「かつての姿に戻らないものか」との声も上がる。

 約1600平方メートルの敷地に、数寄屋造りの主屋(おもや)(約350平方メートル)や離れ、土蔵が立つ。所有者の祖父が、野村財閥創始者の別邸・野村碧雲(へきうん)荘(京都市左京区、重文)も手がけた大工を呼び寄せ、1932年から数年がかりで完成させた。

 県教委が調査したこともあるが、所有者によると、今は主屋の屋根が抜け、風雨が吹き込むなどしている。

 一時は料亭として使われ、81年からは、所有者の父の知人で地元選出の元自民党衆院議員相沢英之氏(91)が、後援会員らのゲストハウスとして賃借していた。

 2年前から賃料が滞納され、所有者は7月に契約を解除。相沢氏に損害金や未払い賃料など約1600万円の支払いと明け渡しを求めて鳥取地裁米子支部に提訴した。相沢氏が屋敷を使わずに放置し、修繕の必要性も報告せず原状回復を難しくした、と主張している。

 一方、相沢氏の代理人の弁護士は「修繕の責任は所有者にある。先代の所有者に買い取りを持ちかけられ、代金の一部を支払った経緯もあり、争う」としている。水木さん夫妻は料亭だった61年に挙式。NHKドラマ「ゲゲゲの女房」でも「婚礼の会場は米子の古い屋敷」と紹介された。妻布枝さん(78)は「とても立派だったのに、荒れたとは残念です」と話している。

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