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熱中症死亡、埼玉なぜ多い?内陸部気温下がらず
2010 / 07 / 26 ( Mon )
 関東などが梅雨明けした17日以降、連日の猛暑に見舞われている日本列島。

 17日以降の気温推移をみると、全国の観測地点921のうち、最高気温が35度以上の「猛暑日」となったのは、同日は2地点だったが次第に増加、21〜24日は100地点を超え、25日も96地点だった。

 22日には、岐阜県多治見市で今夏最高の39・4度を記録した。

 高温による人的被害は拡大しており、読売新聞の集計では、17〜25日夕までに、熱中症とみられる症状で死亡したのは81人。室内にいたケースが半数以上を占めており、また、大多数が65歳以上の高齢者だった。

 特に、埼玉県では半数近い38人が亡くなっており、屋内での死者も29人にのぼった。大半が高齢者だが、熊谷市の女性(22)や川口市の男性(27)ら20歳代の例も出ている。同県警によると、部屋の窓を閉め切ってエアコンを使っていなかった場合が多い。

 同県で被害者が多い理由について、日本気象協会は、内陸部であることを挙げる。海沿いであれば、海からの風である程度気温が抑えられるが、内陸部では下がりにくい。同県内では数日前から湿度が高く、蒸し暑いことも一因ではないかという。また、同県警は、救急搬送以外の死亡ケースも検視で熱中症と判断した場合発表している。

 室内での発症はほかの地域でも起きている。熱中症に詳しい昭和大の有賀徹教授(救急医学)は、屋内での死亡が多い理由について「今の住宅は密閉性が高く風通しが悪い。窓を閉め切って冷房を使わなければ、室内は外気温並みになるが、屋内では屋外より注意を怠る傾向にある」と指摘している。

 熱中症では、水分をこまめに取り、日差しを避けるなど十分な対策が必要だ。体温調節がうまくできない幼い子どもや高齢者のほか、高血圧や糖尿病などの持病がある人は重症化しやすい。若い人や働き盛りの人は、スポーツや屋外作業で水分の補給が少ないため倒れる場合が多い。日本体育協会は、気温が35度以上になったら原則として運動しないよう勧めている。

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