＜女子中学生誘拐＞羽田容疑者「借金で困り」…３容疑者送検

　東京都大田区田園調布の路上で中学１年の女子生徒（１２）が身代金目的で誘拐された事件で、逮捕された埼玉県加須（かぞ）市、運送会社社員、羽田（はた）宏明容疑者（４３）が警視庁捜査１課の調べに対し、「借金で金に困り、事件当日にインターネットの闇サイトに書き込みをして仲間を集めた」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。同課は、羽田容疑者がいずれも無職の宮城元貴（みやぎげんき）（２４）＝沖縄県宜野湾市＝と田場龍之介（２３）＝沖縄市＝の両容疑者に事件を持ちかけ、仕事を探すために上京した宮城容疑者らが応じたとみて調べている。

　また、羽田容疑者らは「田園調布の子供の家なら金を持っていると思った。狙ったのは目の前にたまたまいたからで誰でもよかった」とも供述しているという。同課は８日、３人を身代金目的誘拐と監禁容疑で東京地検に送検した。

　３人は６日午後５時ごろ、田園調布の路上で帰宅途中の女子生徒を軽ワンボックスカーで連れ去り、生徒宅に「娘は預かった。明日の夜７時までに２０００万円を用意しろ」と電話したなどとして逮捕された。

　捜査関係者によると、宮城容疑者と田場容疑者は以前からの友人で、約１週間前に沖縄から上京していた。事件当日の６日に闇サイトで仕事仲間を求めた羽田容疑者の呼びかけに応じ、事件直前の同日午後４～５時に初めて顔を合わせていたという。

　また、羽田容疑者は事件当日朝に自ら埼玉県久喜市でレンタカーを借り、午後７時５０分ごろの逮捕時には今年３月に東京都江戸川区で盗まれた車のナンバープレートを付け替えて運転していた。「女子生徒を人けのない場所に連れて行こうと思った」と供述しているという。【松本惇、山崎征克、神保圭作】