＜八王子射殺＞事情知る？中国人　カナダが身柄引き渡しへ

　東京都八王子市の「スーパーナンペイ大和田店」で１９９５年７月、女性３人が射殺された事件で、実行犯を知っている可能性があるカナダ在住の中国人の男（４３）について、カナダ当局が日本への身柄引き渡しに応じることが捜査関係者への取材で分かった。

　警視庁は近く捜査員をカナダに派遣。男を日本に移送した後、他人名義のパスポートで日本から出国した旅券法違反容疑で逮捕し、八王子の事件についても事情を聴くことにしている。

　捜査関係者によると、男は中国・福建省出身で、事件当時は日本に住んでいたとみられる。警視庁が２００９年、日中混成強盗団のリーダーだった日本人の男＝中国で１０年に麻薬密輸罪で死刑執行＝を事情聴取した際、「（カナダ在住の）中国人の男が八王子の事件の実行犯を知っているかもしれない」などと証言した。

　警視庁は、男が０２年４月に偽造旅券で出国した疑いがあるとして、旅券法違反容疑で逮捕状を取り、１０年にカナダ政府に身柄引き渡しを要請。カナダ・トロントの裁判所は１審に引き続き今年９月の２審でも、引き渡しを認める決定を出していた。

　八王子の事件は９５年７月３０日午後９時過ぎに発生した。スーパーの事務所内にいたパート店員の稲垣則子さん（当時４７歳）、アルバイトの都立館高２年の前田寛美さん（同１６歳）、桜美林高２年の矢吹恵さん（同１７歳）の３人が、拳銃で頭を撃たれて死亡した。【松本惇、山崎征克、神保圭作】